月騙しの森


白龍に乗ってシェラとワズンの魔女達が降り立ったのは「月騙しの森」。カラスも後を追いかけて、やってきます。
あの泉の前にシェラが立ってて・・・。
 シェラ「待っていたわ、カラス・・・。」
 カラス「・・・。」
 シェラ「いつ、気付いたの?」
ここここここのセリフってムービーの「いつから気付いていたの?」の場面だ!おおーい!最後の最後だよっ!
あのムービーってば本当核心突きすぎ・・・。
 カラス「君が、オレから離れたアサコと互いに呼び合って・・・、精霊憑きとなったと知った時に・・・。」
 シェラ「そう・・・。」
 カラス「それと、ミラへ行く途中、ジャコモ達に襲われて、異空間に落ちた時・・・、あの時君は口を滑らせた・・・。」
 シェラ「・・・。」
むう・・・、なんかよそよそしいな、カラス・・・。なんで名前じゃなくて「君」って言ってんだよ!
「異次元の穴」でミンディール甲板にての会話シーンの回想スタート。

 カラス「『光なき地に光を、救いなき者に救いを・・・。1人夜の底を行く我らを、海よ、いざないたまえ・・・。』
     1人夜の道を行く我ら、か・・・。」
 シェラ「そう・・・、全ての命はいつか海へ還る・・・。私の国の祈りの言葉・・・、覚えてしまったのね。私達が初めて出会った、
      月騙しの森で・・・?どうしたの、こんな所で?」

 カラス「あの時君は、初めて月騙しの森で出会った、と言った。だがオレはその前にケバルライ村で一度君と会っている。
     それがオレが初めて君に出会った時だった。あの時は単に言い間違えたのだろうと思ったんだが、妙にその事が
     引っ掛かってた。」
 シェラ「・・・。」
 カラス「あれは言い間違いじゃなかったんだ。あの時君はうっかり口を滑らせたんだ、シェラ。それは、君がオレと最初に
     出会ったのが、まさしく月騙しの森だったからだ。君はケバルライ村でオレと会う前に、あの森でオレと会っていた・・・、
     いや、たまたまオレ達のやりとりを目撃していた・・・。そうだろう、シェラ?」
 シェラ「・・・。」

ここで、その月騙しの森でのやりとりのシーンがスタート。
 シェラ「・・・!?あの人は・・・!」
 カラス「そうだ、その古の力はこの近くのどこかに眠ってるんだ。アサコ、お前にも協力してもらうぞ、なんとしてもな。オレには
     お前の力が必要なんだよ。オレはこの森でロックキャットに襲われて、気を失う。気付いた時は打ち所が悪くて、
     ショックで記憶が失われてるという訳だ。オレのじゃなくて、お前の記憶がな、アサコ。オレ達の計画の事も全て忘れて、
     お前はこれまでどおりオレに力を貸すんだ。オレとお前は2人で1人だからな、アサコ。
     いや、ダメだ・・・。後には退けない・・・。さあ、始めよう。アサコの記憶を消すんだ。」
木陰に隠れて様子を窺うシェラに、ミローディアと一緒に悪巧みをはたらくカラス。勝手に人の記憶操作すんなっての!
ミローディアがカラスに衝撃を与えて、カラスは倒れる。上手くいったみたいですな・・・。
 ミローディア「お前はもう我らのもの・・・。この娘と同様に・・・、解き放て、我らを、1000年の闇と・・・、1000年の孤独と
         苦痛から・・・。お前には美しい白き翼・・・、世界には死と滅びを・・・!ククク・・・、フフフフ・・・!」
ミローディアが去ったのを確認して、慌ててシェラが倒れたカラスの元へ。
 シェラ「・・・!今のは・・・!?何が始まろうとしているの・・・?一体あなたは・・・?」
 グラム「どうかなさいましたか、シェラ様?」
 シェラ「この人が・・・。」
 グラム「ふむ・・・、傷はどれも大した事はない。ただ気を失っているだけのようです。」
 レイオーン「どれ、では私達で近くの村まで運んでやりましょう。」
 シェラ「いえ・・・、私達がこの人を見付けたというのは、知られたくありません。」
 グラム「・・・?判りました。となると・・・、このままここに放っておく訳にも・・・。」
 ミーマイ「キューイ。」
 シェラ「いいところに来てくれたわ。あなたにお願いがあるの。」
 ミーマイ「キューイ?」

ミーマイはシェラに頼まれてカラスを助けていたのね・・・。
 カラス「一体何を隠してるんだ?シェラ、君は一体何者なんだ?」
 シェラ「私はただのシェラ・・・、そして最後の氷の女王・・・。」
 カラス「最後の・・・?」
 シェラ「あの日、この森ではじめてあなたに会ったのが、なんだかもうずっと、ずっと遠い昔の事みたい・・・。」
 カラス「・・・。」
 シェラ「・・・月騙しの森って、月の魂の森という名なのよ、ほんとは・・・。”魂”が濁って、”騙し”になってしまったのね。
     いつの間にか・・・。私達も、大切なものをどこかにしまい忘れて・・・、その事さえも忘れてしまって生きてるんじゃないかしら。
     そうして人を・・・、自分さえも欺いて・・・。」
 カラス「・・・。」
 シェラ「1000年前に五つの大陸が、神との戦いで傷んだ地表を離れて、大空に飛び立った・・・。同じ様に氷の国もクジラの力で
     空へと逃れたのだけど・・・、その時魔導師達から私達に、海の鏡の他に、もう一つ託された物があるの・・・。」

 魔導師「用意はいいか?」
 氷の女王「ええ。」
 魔導師「永く、辛い務めになるぞ・・・。」
 氷の女王「承知しております。それは、大地に留まり、厚い雲の底で陽の光を失って生きる道を選んだあなた方も同じでしょう?」
 魔導師「・・・。」
 氷の女王「いつか、傷んだ大地が浄化され、再び人が緑の大地に帰る時が来るまで・・・、その時まで海を守り、世界を・・・、人を
        見守り続けてゆきましょう。地の底と、氷の果てで、共に・・・。きっといつか私達の子供達が・・・。」
 魔導師「我々の子供らが・・・。」
 氷の女王「さあ、それでは始めましょう。海の水が神々の血に毒されてしまわぬ内に・・・。」
 魔導師「今ここに我が一命を以て海を封じ、しばし地上よりその唄を消し去らん・・・、遥か古より途切れる事無くこの星に
      流れ続けてきたその子守唄を・・・。」
 氷の女王「光なき地に光を、救いなき者に救いを、1人夜の底を行く我らを、海よ、いざないたまえ・・・。」
 魔導師「唄を棄て、明日を葬る我らを、時よ、いつか許したまえ・・・。」
おわっ!女王に海が吸い込まれていっちゃったよ!つ、つまりこれって・・・。

 シェラ「カラス・・・、私の中に海があるの・・・。私が海なのよ・・・。」
 カラス「・・・!?」
 シェラ「私達、氷の国の女王は代々、海を受け継いできたの。海を守り、そうしてまた次の女王に・・・。最後の時が来るまで・・・。」
 カラス「まさか・・・、そんな・・・!?」
 シェラ「あなたの事、はじめは帝都から差し向けられた追っ手かと疑っていた。でも、その後ですぐジャコモ達に襲われて、
     そうでない事が判った・・・。敵なのか、見方なのか判らなかったけど、あなたが何か恐ろしいものに魅入られている・・・、
     その事だけは判っていた・・・。傍に居て、見守っていてあげたかったの・・・。もし私に出来る事ならなんとかして
     助けてあげたいと思った・・・。あなたは私に似ていた・・・。普通のマグナスを持った他の人とはどこか違っていて・・・、
     不思議な、生命の輝きを秘めていた。精霊が私に降りた時、私もやっぱり直感みたいなものを感じたのよ。今の時代で
     精霊を宿せるのは、他の人とは明らかに違う異質さと、哀しみを負った命だけだって・・・。」
 カラス「・・・どうして黙ってたんだ?なぜ教えてくれなかったんだ!?」
 シェラ「それは、その時が来るまでは誰にも明かしてはならない決まりなの!それに私にどう言え、と!?伝説の海は私の中です!
     さあ一緒に冒険の旅に出かけましょう、とでも!?」
 カラス「・・・ゴメン。悪かった・・・。」
 シェラ「ううん、私も・・・。エンド・マグナスが解放されて、大地もこうして蘇った今、私は氷の女王として、最後の務めを
     果たさなくてはならない・・・。」
 カラス「・・・。」
 シェラ「カラス・・・、あなたに解放してもらいたいの・・・、私の中の海を・・・。」
 カラス「・・・海を解放したらシェラ・・・、その時君は・・・?」
 シェラ「・・・。」
 カラス「ダメだ・・・!出来ない・・・、オレには!!」
ここでうるうるし始めちゃいましたよ!シェラが居なくなっちゃうなんて耐えられない・・・!
 シェラ「ゴメンなさい・・・、こんな事頼んで・・・。でも私1人の力ではどうにもならないの・・・。同じ精霊を宿したあなたと私なら、
     アサコを通じて心を一つに出来る・・・。私達3人でなら、私の中に眠る海を呼び覚ます事が出来る・・・。」
 カラス「・・・。」
 シェラ「傷付いた大地が蘇った今・・・、皆が失われた海を待っているわ・・・。お願い、カラス・・・、アサコ・・・。」
いや、そんな事出来ない!シェラを犠牲にはしたくないよ・・・!!
 シェラ「ありがとう・・・。最後まで優しいのね、アサコ・・・。でも、こればかりはどうしようもないの・・・。私は氷の女王・・・、
     このさだめから逃れる事は出来ない・・・。」
 カラス「ああ・・・、判った!引き受ける。引き受けるさ!だから・・・、どこにも行くんじゃないぞ、シェラ・・・。いいな?」
 シェラ「・・・。」
 カラス「光なき地に光を・・・。」
ああ〜!始まっちゃったよ〜!私も無理矢理参加!救いなき者に救いを・・・。
 シェラ「1人夜の底を行く我らを・・・」
海よ、いざないたまえ・・・。
 2人「唄を棄て、明日を葬る我らを・・・。」
時よ、いつか許したまえ・・・。
 シェラ「されば、子らよ・・・、いざ憩え、とこしなえに、我が胸に・・・。
     ありがとう・・・、カラス・・・、アサコ・・・。」
ううっ・・・!シェラ・・・!
こんな悲しいシーンなのに、いきなり下卑た声が辺りに響き始めやがった!な、なんだ一体!?
 「まだだ!まだお前達の好き勝手にはさせんぞ!!この世界は私のものだからなぁ!!カラス、みぃーつけたぁ!!」
 シェラ「・・・!?」
 カラス「ゲルドブレイム!?」
 ゲルドブレイム「こんなとこに居たんだなぁ。お前だけは逃がさないぞぉ。神がなんだぁ!?古の力がなんだぁ!?みんな・・・、
          みーんな喰っちまったら面白いだろうなぁ。ああ?見ろッ!!とくと見ろぉ!!私はもうこの世界そのものだぁ!
          宇宙そのものになるんだぞぉ!!」
うげっ・・・!最後の最後にコイツかよ!き、気持ち悪い・・・、相変わらず・・・。なんだよ、この土の塊は・・・。
しかも完全にイっちゃってますね(笑)。
うわっ!笑ってる場合じゃないな!魔女達が地中に引きずり込まれちゃってる・・・!
 コーダー「ちっ、こいつは・・・!?」
 バーナム「術が・・・!?」
 コトラン「姫様ッ!」
 シェラ「皆・・・!?」
 ゲルドブレイム「お前達も、さっさと諦めて私と一つになるがいいぞぉ!この先も存在していたければなぁ!くけけけ・・・!」
対ゲルドブレイム。これが本当のラストバトルか・・・。
思いっきり強いのかと思いきや、最高に弱いでやんの(笑)。結局、育て上げたカラス達の前に敵は無かった、と(笑)。
ああ・・・!勝ったはいいけどシェラとのお別れの時間が・・・!シェラがついに倒れちゃいます・・・!
 カラス「シェラ!?」
 バーナム「シェラ様・・・。あなた方お二人は伝説となり、神話となるでしょう・・・。」
 シェラ「ううん・・・、そんなものに・・・、なりたくなんかない・・・。カラス・・・、2年前、私が見た夢は・・・世界の破滅の
     予知夢なんかじゃなくて・・・あなただった・・・。」
 カラス「・・・!?」
 シェラ「暗い森の奥で・・・、誰かを抱きかかえて泣き叫んでる・・・あなたの姿だった・・・。私は・・・、ただ普通の・・・似合いの・・・
     2人・・・に・・・。」
 カラス「・・・!?シェラ・・・?シェラ・・・!」
あ、ああーーーーーっっっ!!シェラが消え・・・!?雨が・・・。そうか、これがシェラなのね・・・。
 カラス「シェラ・・・。バカやろう・・・、どこにも・・・、どこにも行かないって・・・!シェラ・・・。」
私も薄々は「シェラは、もしかしたらクジラか海なのかも・・・」とは考えてたんだけど、実際目の当たりにすると・・・。
そりゃもう泣きましたよ!カラス〜〜〜〜〜〜〜っっ!!私も辛い・・・!!!
地表に海が戻って、人々からこころの翼が消えていきます。
そしてミーマイが・・・、グレイソーン達が世界中から集まって、ひとつになって・・・。
え、えええええぇぇぇッッッ!!!?グレイソーンがクジラだったのっ!?これまた意表を突かれた・・・!グレイソーン=クジラなんて
頭にこれっぽっちも無かったからホント驚いたよ!
でも「知能があり、かなり賢い」とあるので、「ああ・・・、なるほど・・・」とは思いましたよ。全国各地にグレイソーンが生息していたのも、
こういう意味だったのね・・・。シェラにも懐いてたしね・・・。
波打ち際に輝く大地の玉が綺麗でしたね・・・。


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